【エドリック視点】
エレオノールが言いしれぬ不安に
胸がいっぱいの頃、
ヴァリニア王国国王エドリックも
ざわざわと胸が騒ぎ始めていた。
アルドヴァール大公国に駐留させていた兵から
ドレシア公国に動きありという
報告があったからだ。
エレオノールの身を案じたエドリックは
報告を受けて直ぐ、
近衛兵の中から精鋭を幾人か引き連れ、
アルドヴァールを目指して夜通し駆ける。
そして朝日が登り始めた頃、
エドリック一行は
アルドヴァール大公宮殿に到着した。
そこで知ったのは、
自宅謹慎中のエレオノールが
昨夜未明に行方不明となった事実だった。
大公女がいなくなったという現実に
混乱を隠せないアルドヴァール大公家をよそに、
犯人はライガンしかいないと
エドリックは確信していた。
それと同時に
防衛意識が低く、
危機感の薄い大公国にも
苛立ちを募らせる。
天然の要塞に守られたフィオルガルデ連邦は
かつては難攻不落だったが
それは過去の話だ。
世界征服を目論むドラゴニア帝国が
アヴァロン海を越えようと北上してきている。
万が一にもアヴァロン海を制圧されたら、
ヴァリニア王国とノルヴァンド王国は
ドラゴニア帝国陣営に
挟み撃ちされてしまう。
ヴァリニア王国の安全のために、
フィオルガルデ連邦を
ドラゴニア帝国陣営に渡すわけにはいかないのだ。
そして何より、
エレオノールをライガンなんかに渡したくない。
その気持ちのほうが強いかもしれなかった。
エレオノールが言いしれぬ不安に
胸がいっぱいの頃、
ヴァリニア王国国王エドリックも
ざわざわと胸が騒ぎ始めていた。
アルドヴァール大公国に駐留させていた兵から
ドレシア公国に動きありという
報告があったからだ。
エレオノールの身を案じたエドリックは
報告を受けて直ぐ、
近衛兵の中から精鋭を幾人か引き連れ、
アルドヴァールを目指して夜通し駆ける。
そして朝日が登り始めた頃、
エドリック一行は
アルドヴァール大公宮殿に到着した。
そこで知ったのは、
自宅謹慎中のエレオノールが
昨夜未明に行方不明となった事実だった。
大公女がいなくなったという現実に
混乱を隠せないアルドヴァール大公家をよそに、
犯人はライガンしかいないと
エドリックは確信していた。
それと同時に
防衛意識が低く、
危機感の薄い大公国にも
苛立ちを募らせる。
天然の要塞に守られたフィオルガルデ連邦は
かつては難攻不落だったが
それは過去の話だ。
世界征服を目論むドラゴニア帝国が
アヴァロン海を越えようと北上してきている。
万が一にもアヴァロン海を制圧されたら、
ヴァリニア王国とノルヴァンド王国は
ドラゴニア帝国陣営に
挟み撃ちされてしまう。
ヴァリニア王国の安全のために、
フィオルガルデ連邦を
ドラゴニア帝国陣営に渡すわけにはいかないのだ。
そして何より、
エレオノールをライガンなんかに渡したくない。
その気持ちのほうが強いかもしれなかった。



