離婚してから始まる恋～念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました～

「会いたかった。」
ライガンの熱のこもった囁きが
エレオノールの心を熱くする。
ライガンに応えるように、
エレオノールも思わず抱きしめ返した。

「突然エルに会えなくなって、
僕がどんな気持ちになったか分かるかい？」
「ごめんなさい。その、お父様からしばらく家で大人しくするようにって言われてしまって。」
エレオノールは気まずそうに口ごもる。

「アルドヴァール大公は僕の国を疑っているんだろう。違うかい？」
「そうなの。ねぇ、ライガン。ドレシア公国がドラゴニア帝国と親しくしてるって本当なの？」
「親しいかと言われると語弊があるかな。ただドラゴニア帝国と交流があるのは事実だ。」
「お父様はドレシア公国がドラゴニア帝国と結託して、フィオルガルデ連邦を離脱してしまうのではないかと思っているの。そんなことないわよね？」
「そんなこと・・・あるわけないじゃないか。近年ドラゴニア帝国がアヴァロン海を目指して北上して来ているだろう？アヴァロン海を越えたら最初に彼らに狙われるのはドレシア公国だ。だからそうならない様に、ある程度友好的な関係を築く必要があるんだ。」
「軍備を増強しているのも、ドラゴニア帝国の侵略を防ぐため？」
「うん。なかなかみんなには理解してもらえないんだけどね。」

ライガンの寂しそうな目を見て、
エレオノールは少なからず同情を覚えた。