離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

【エレオノール視点】

エレオノールは
今日も退屈そうに窓の外を見ていた。
自宅軟禁になってはや数ヶ月。
読書も刺繍も飽きてしまった。
両親との仲はギクシャクしたまま。

一体いつまでこんな日が続くのだろう。
こんなことになるなら、
ヴァリニア王妃として
公務に忙殺されている方が良かったかもしれない。
そんなことを思うぐらいに
時間を持て余していた。

辺りはすっかり暗くなり、
今日も1日を無駄にしてしまったと
人知れずため息をついたその時、
バルコニーに人影が見えた。
恐る恐る近づいてみると
フードを目深に被った男が1人。
エレオノールと目が合うと
その男はサッとフードを脱ぐ。
ライガンである。
エレオノールがびっくりして
思わずバルコニーの扉を開けると
目にも止まらぬ速さでライガンが
身体を滑り込ませる。
そしてエレオノールをきつく抱きしめた。