離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

どうやってアルドヴァール大公国を手に入れようかと
ライガンが策を巡らせていた時に
アルドヴァール大公女が
嫁ぎ先のヴァリニア王国から戻って来る
という話を聞いた。

これは朗報だ。
ライガンはほくそ笑んだ。
アルドヴァール大公女エレオノールは
自分に好意を抱いている。
彼女の兄がそう言ったのだから
自分の勘違いではない。
彼女の好意を利用して、
アルドヴァール大公国への好機を探ろう。

そう決意したライガンは
エレオノールの行動を密偵を使って把握し、
首尾よく接触することに成功。
エレオノールが自分に夢中になるように
好青年を演じた。
計画は順調に進んでいたはずだった。
それなのに、
まさかヴァリニア王国から
横槍が入るとは。
自分たちの計画に
ヴァリニア王国が絡んでくるのはまずい。
自分のバックにドラゴニア帝国がいる以上、
ヴァリニア王国がアルドヴァールにつけば
国際問題に発展してしまう。
フィオルガルデ連邦内の
いざこざではすまないのだ。

功を急ぐあまり、
焦りに焦ったライガンは
エレオノールを連れ去ることを決意する。
エレオノールを人質にして
アルドヴァールを手に入れる算段だ。
詰めの甘すぎる計画だが
ドラゴニア帝国からのプレッシャーにも
晒されていたため、
正常な判断が出来ないほど
ライガンは追い詰められていた。