離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

ドレシア公国からすると
支援はありがたいと思う一方で、
どこか下に見られている気がして
苦々しい思いを抱いていた。

農作物が不作の時は食物を分けてくれたり、
自然災害に見舞われた時は軍を派遣してくれたり、
アルドヴァール側的には
助け合いの精神でやっているだけだったが、
施しを受けているような、
干渉されているような、
惨めな気持ちになるのだった。
現ドレシア公は性格的にその思いが強く、
『アルドヴァールの影から脱却するのだ』
という思想を
ライガンに幼い頃から植え付けていた。
素直な性格のライガンは
父の教えを真正面から受け止める。
彼の『国を強くしたい』という純粋な思いは、
ドラゴニア帝国皇太子との出会いで
過激な帝国主義思想へと昇華してしまった。

ドラゴニア帝国の後ろ盾を得て、
フィオルガルデ連邦諸国を統一し、
フィオルガルデ帝国の皇帝となることが
ライガンの最終目標である。
その第一歩が、
アルドヴァール大公国なのだ。
長い間ドレシア公家の目の上のたんこぶだった
アルドヴァール大公家を乗っ取ることが出来たら。
大願成就のためにも、
何としてでも成功させなければならない。