【ライガン視点】
ライガンは苛立っていた。
せっかくエレオノールと
良い雰囲気になっているという感触があったのに
エレオノールと突然会えなくなってしまった。
どうも調べたところ、
彼女は自宅軟禁になっているらしい。
(くそっ!)
むしゃくしゃした思いとともに
拳を机に叩きつける。
部屋の掃除をしていた若い侍女が
ビクリとするが、
そんなのはお構い無しだ。
ライガンの祖国ドレシア公国は
小国の集まりであるフィオルガルデ連邦の中でも
とりわけ小さい国だった。
歴史を遡れば
隣国アルドヴァール大公国の一部であり、
大公位継承の跡目争いなどが重なって
分離したのだ。
分離して以降、
アルドヴァール大公国からは
完全に独立した主権国家として
その地位を守ってきたが
国家基盤は脆弱だった。
国土も狭いし人口も少ないので
めぼしい産業が育たない。
それなりに力のある国が本気になれば
あっという間に征服されていただろう。
でもそうならなかったのは
アルドヴァール大公国のおかげでもあった。
アルドヴァール大公家は大らかな家風で
面倒見が良いというのか、
世話焼きな人間が多い。
何代も前に分離独立したドレシア公国のことも、
縁戚の治める国だからと
援助を惜しまなかった。
ライガンは苛立っていた。
せっかくエレオノールと
良い雰囲気になっているという感触があったのに
エレオノールと突然会えなくなってしまった。
どうも調べたところ、
彼女は自宅軟禁になっているらしい。
(くそっ!)
むしゃくしゃした思いとともに
拳を机に叩きつける。
部屋の掃除をしていた若い侍女が
ビクリとするが、
そんなのはお構い無しだ。
ライガンの祖国ドレシア公国は
小国の集まりであるフィオルガルデ連邦の中でも
とりわけ小さい国だった。
歴史を遡れば
隣国アルドヴァール大公国の一部であり、
大公位継承の跡目争いなどが重なって
分離したのだ。
分離して以降、
アルドヴァール大公国からは
完全に独立した主権国家として
その地位を守ってきたが
国家基盤は脆弱だった。
国土も狭いし人口も少ないので
めぼしい産業が育たない。
それなりに力のある国が本気になれば
あっという間に征服されていただろう。
でもそうならなかったのは
アルドヴァール大公国のおかげでもあった。
アルドヴァール大公家は大らかな家風で
面倒見が良いというのか、
世話焼きな人間が多い。
何代も前に分離独立したドレシア公国のことも、
縁戚の治める国だからと
援助を惜しまなかった。



