離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

この日以降、
2人は定期的に逢瀬を繰り返した。
もちろんエレオノールは従者を着けていない。
ライガンと会っているなんて
父であるアルドヴァール大公に知られたら
どんな大目玉を喰らうか分からないからだ。

2人きりの時のライガンは
自分がドレシア公国を継いだらどんな国にしたいか、
力のこもった声で自分の理想を
エレオノールに話して聞かせた。
"理想を実現するには、ドレシアは小さすぎる"
"国を大きくして、もっと力をつける必要がある"
冷静になって聞いていれば、
ドレシア公国の黒い噂とリンクするような
あれ?と思う発言をライガンは節々でしていたのだが、
恋に盲目状態のエレオノールは
この時全く気づいていなかったのだった。

エレオノールが恋に夢中になるのも
仕方がなかったのかもしれない。
エドリックとはさっぱりだったエレオノールにとって、
ライガンが唯一好意を抱いた異性なのだ。
そのライガンは、
エレオノールの気持ちを弄ぶかのように、
2人きりの時は思わせぶりな態度を取ってくる。
エレオノールの手を握ったり、
髪に触れたり、
時には熱い眼差しで見つめてきたり。
エレオノールは感情を揺さぶられっぱなしだった。
けれど、ライガンはそれ以上は何もしない。
そんなある日のことだった。