離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

従者を1人つけて、
颯爽と馬に跨ったエレオノールは
アルドヴァール大公国を囲む山々を駆け抜けた。
国土の多くを山林に囲まれたこの国は
のんびりとした穏やかな国民性も相まって、
国全体がどこか牧歌的な雰囲気が漂っていた。
そんなのんびりした国なので
国境沿いも厳格に警備されているわけではない。

だからこそ、
ドレシア公国との国境沿いを歩いていたら
もしかしたら・・・
という儚い希望がエレオノールに生まれたのだ。
まぁそんなうまい話はあるはずもなく、
ライガンには会えないまま、
リューネンシュタイン公国との国境に
差し掛かろうとしていた。
その時。

「エルっ!!」
背中越しにエレオノールが待ち望んでいた
懐かしい声が聞こえてきた。
あまりのタイミングの良さに
自分の願望が生み出した幻聴ではないかと
半信半疑で振り返る。
しかし、
エレオノールの目に飛び込んできたのは
少女の頃に人知れず胸をときめかせた
優しい笑顔の貴公子だった。