それでも、本当に。


嫌な思いはしてほしくないから、ほんの少しの可能性に賭けてもいいじゃないか。




「カイの自国愛は賞賛に値するよね。」


「…そこを気にし過ぎなくらい気にしてやってるお嬢の優しさもな。」


「えー嬉しい。」


「で、どこの国なん?」



これからエゼルタの総司令さんと相対する敵は、果たしてどこの国なのか。




「予想してみてー?」


「お嬢が使える言うたら、まずアレンデールが濃厚よな。けど天帝がおるセザールもあり得るか。セザール王と友達らしいし。」



おーちゃんの予想はアレンデールかセザール。




「無難な二国だねー。」


「安定に強いしな。どや、当たったか?」


「個々の武なら負けてないのに、ちゃんと強いって言えるのがおーちゃんの格好良いところだよね。」


「はあっ!?」



褒めるとすぐに照れる。


可愛い可愛いおーちゃんです。




「残念ながらハズレですー。」


「ほんでハズレかい。」


「ヒントー。相手は伝説の負け無しの人。その人に絶対に負けない人が率いる軍です。」


「絶対…負けへんとかある?」



確かに勝ちが確定している戦なんてそうはない。


けど、ここは私は自信を持って言える。ちゃんと私の思い描く通りの展開に事が進めば、負けるのは総司令さんだと。