「だからおーちゃんは離れてて大丈夫です。」


「わざわざ説明おおきに!!!」



さてさて。


更なるビッグネームが現れるらしいが、ここは軽く超えさせていただきましょう。


パパの汚名を晴らす機会でもあるらしいし。




「そっちの準備はもう大体終わってるし、私はその後の戦の準備急がなきゃいけないから。おーちゃん護衛交代ね。」


「いやマジで脳内で永遠戦してるやん。」


「だから戦神なんて言われたのかなー。心外だなー。私こんなに温厚なのに。」


「「…。(温厚…?)」」



また失礼な視線だけは感じるが。


ここは無視だ。


やらなきゃいけないことはまだまだ山積みだ。ハルの不始末が色々祟って本当に急がないと間に合わない。




「じゃあ私また出掛けるねー。」


「…気ー付けや。」



こうして今日はソルの広大な大地。


そのとある一画で、本日の作業を開始する。






「カイ、言わんでよかったん?」


「どの話や。」


「エゼルタの総司令の息子が白狼やって。」


「本人に口止め料もろてるし。言ったら俺殺される。それにそんなことお嬢には関係ないやろ。」



先程噤んだ事情は、そう言うことらしい。




「てか、お前こんなとこでプロポーズって女心の分からん奴やな。」


「そこ掘り返すな!?」


「いや、めちゃくちゃおもろかったで。」


「何の慰めにもならんこと言うなや!?」



ケタケタと尚も笑い続けるカイ。


そこで笑いながらも、カイはまたおーちゃんを虐める。




「次はちゃんと女装止めてから言った方がええで。」


「……あ。」



自分が女装してることをすっかり忘れていたおーちゃん。


カイから見れば、美少女が美少女に結婚を申し込む百合展開でそれはそれは良い見せ物となっていた。



それに気付かされ、おーちゃんは真っ赤になって落ち込む。




「やらかした…。」


「大丈夫や。どっちにしても結果は同じや。」


「分からんやろ!?もっと早よ言えや!?」


「あーおもろ。」




もう間も無く幕を開ける。


エゼルタとの前哨戦。


世界の度肝を抜く私の策は、既に世界さえも翻弄していたのかもしれない。