「リンのお兄さんも、リンが大事で仕方ないはずだよ。そんなリンを自ら苦しめる人じゃないと思う。」
「うんうん。白狼より説明上手いな。」
「とにかく否定的にならずに、リンの意思を尊重することが最善な気がする。」
「…否定しない。でも、それでお嬢が尚死ぬ選択する時はどうすんねん。」
もう好き放題言われている私です。
そして、最終的な話。
私がこの先また、死を望むことがあればどうするのかとレンに聞いた。
そのレンの答えを聞いて、各々帰り道ではあるがみんな思わず足を止めてしまう。
「…その時は死なせてあげよう。」
おーちゃんは勿論、トキでさえレンの言葉に驚く。そして動揺する。
「レン…?」
「ずっとリンは頑張って来たから。誰かのために戦って、誰かを守って、誰かのために生きて来た。」
「そうかもしれないけど、流石にどうなの?」
「もうこれ以上、生を強いることはリンにとって苦しいだけだと思うから。」
誰も何も言わない。それぞれがそれぞれの想いを胸に、それぞれの帰路を辿る。
トキは一応レンを城まで送り届けてから、アキトの待つ城へ。おーちゃんは一目散にパルテノンのカイの酒場を目指した。

