ソルの第一将から私を守るその意味を。
分かっているなら頼むと言ったおーちゃんに、シオンは辛辣に言葉を返す。
「それは経験談?」
「…せやな。ヒマリと同じ目には、遭わせたくないし。」
「あんたの昔の女に興味ない。手遅れになる前に、誰かが討つしかない。」
神が誘うその前に。
「次は、俺が出る。」
「シオンがわざわざ?またソルと?」
取り返しのつかない事態になる前に、シオンは早く討たねばならないと考えていた。
「畳み掛けるなら早い方がいい。」
「シオンまだ戦禁止令解けてないでしょ。」
「……。」
「…今アキトが燃えてるから、俺が先に行ってみようかな。」
次戦、セザール対ソル。
ソルには思わぬ追撃になるだろう。
「…で、いつまでここに居座る気。」
「そうだ。早く戻らないとレンも危ないんだった。瞬兎さん行くよ!」
来た時同様、屋根裏から戻ろうと登る。
おーちゃんは帰りの際に振り返り、またシオンへ質問を投げる。
「お嬢を繋ぎ止める方法、分かってるん?」
「…さあ?」
おーちゃんは諦めてトキと部屋を出る。
「俺は一緒に…堕ちてもいいけどな。」
その方法はシオンにもまだ最良の答えが見つかっていないから、私と一緒に堕ちてもいいと。不意にらしくないことを考えさせられてしまう。
思わずむすっと顔を顰めることになった。
「はー…病原菌がウザい。」
そしてまた、その本を手に取る。
たった一人の天使に、会いたいと焦がれる。

