そしてレンはここで今初めて口開いたよ?
私が行かないのそんなに変?
「だって箝口令でしょ。万が一出られなくなると私かなり困る。」
「え、リンはシオンが心配で…じゃないの?」
「いやいや、シオンに心配はいらないでしょ。全部一人でしれっと解決出来る人じゃん。」
「てっきり一緒に行くんだと思ってた。」
うんうんとレンが頷いている。
他人事のようにしているが、今回あなたがかなりのキーマンですよ。
「この箝口令、エゼルタの総司令さんからの私への当て付けだと思うんだよね。そこに飛び込むなんて馬鹿なことはしませんー。」
「当て付け?」
「イライラしてめちゃくちゃな暴言吐いたから、私を捕らえたくて仕方ないんじゃない?」
「もう、何でまたそんなこと…。あー…でも、うん。何か見えて来たかも。」
私と同じ見解にトキが辿り着いた様子。
ならば、ここからはセザールの王族二人が決断してくれれば事は進む。
「スーザンどうにかならない?」
「…リンに危険がないなら…まあ。でも現場で問題になったら刃先が向かうのはレンだぞ。」
「そこは賢いトキが一緒だし、もう一人護衛に連れてって貰おうと思ってる人がいるから。それなら何とか…って、問題が起きないに越したことはないんだけど。」
そしてそして。
こんな大事な話をしているのに、関係ありませんけどみたいな顔できょとんとしている本家。
…レンさん、話聞いてるか。
「…エゼルタ王の診察上手く潜り込めそう?」
「潜り込む?」
「適当に理由付けて、そのまま何事もなく診察終わったら二人を連れて帰ってくるの。」
「うん、いいよ。」
かっるーい。
「不審に思われたらたぶん捕まっちゃうし。箝口令解除されるまで出られなくなる。」
「リンは会いに来てくれる?」
「あ、会いにって…捕まってるとこに?話聞いてた?そんなことしたら私も一緒にもれなく捕まるんだけど?」
「リンと一緒に捕まるの、俺は問題ないよ。」

