(二)この世界ごと愛したい




私は一つの願いをスーザンに急ぎ足で伝えた。


終始きょとんとした顔で聞いていたスーザンは、流石はレンのお兄さん。反応が似てる。




「…無理なら断ってくれていいよ。スーザンにとってはメリットもないし。」


「いいぞ?」


「それに私がこの国にしたことを考えたら、みんなを納得させるのも大変だと思うし。」


「だから、別にいいぞ?」



…うん。




「え?」


「何だ?どっちだ?」


「…いや…返事軽いし。ちょっとは考えるとか…誰かに相談するとかないの?」


「別に誰が傷付くと言う話でもない。少し金が掛かるくらいだ。財政がまた…あー、これは財務関係でまた煩わしい会議が長引くか。」




王妃が、私に礼を言った理由が。


何となく分かった気がする。





「…ありがとう。」


「そんな下らん話か。俺は王だ。それくらい大したことはない。」


「立派な王様になったねー。」


「いや、それがな。家臣達は煩いし、やることは多いし、一人優雅に過ごす時間もないんだ。ここでリンの稽古を眺めた日が恋しい。」



勝手に恋しく思われてもなー。


それに全力で出来た試しないし、まともな稽古はここではしておりませんー。




「でもさ、今の方が良い顔してるよ。」


「本当か!?」


「本当本当。もうすぐレンも来るし聞いてみたら?」


「え…レン?来るのか?」


「私が呼んだー。トキも来るよー。」


「な、何しに来るんだ?」



人の話はちゃんと聞いてくださいよ。