私は一つの願いをスーザンに急ぎ足で伝えた。
終始きょとんとした顔で聞いていたスーザンは、流石はレンのお兄さん。反応が似てる。
「…無理なら断ってくれていいよ。スーザンにとってはメリットもないし。」
「いいぞ?」
「それに私がこの国にしたことを考えたら、みんなを納得させるのも大変だと思うし。」
「だから、別にいいぞ?」
…うん。
「え?」
「何だ?どっちだ?」
「…いや…返事軽いし。ちょっとは考えるとか…誰かに相談するとかないの?」
「別に誰が傷付くと言う話でもない。少し金が掛かるくらいだ。財政がまた…あー、これは財務関係でまた煩わしい会議が長引くか。」
王妃が、私に礼を言った理由が。
何となく分かった気がする。
「…ありがとう。」
「そんな下らん話か。俺は王だ。それくらい大したことはない。」
「立派な王様になったねー。」
「いや、それがな。家臣達は煩いし、やることは多いし、一人優雅に過ごす時間もないんだ。ここでリンの稽古を眺めた日が恋しい。」
勝手に恋しく思われてもなー。
それに全力で出来た試しないし、まともな稽古はここではしておりませんー。
「でもさ、今の方が良い顔してるよ。」
「本当か!?」
「本当本当。もうすぐレンも来るし聞いてみたら?」
「え…レン?来るのか?」
「私が呼んだー。トキも来るよー。」
「な、何しに来るんだ?」
人の話はちゃんと聞いてくださいよ。

