ふわりと踵を返し、王妃は去る。
私もせっかく許して貰えて、ここを通して貰えたので。遠慮なくスーザンを探して王宮を歩く。
「り、り、リン…!?」
「あー良かった。ちゃんと会えた。吃りすぎだけれども。」
いつもの広間に行くと簡単に会えた。
お久しぶりのスーザン。
「お願いがあるのー。」
「この無礼者め!陛下の御前だぞ!」
「ごめんごめん。スーザンこれ煩いからどっかやってくれるー?」
「へ、陛下の名を呼び捨てに!?そして我々をどっかやってだと!?」
相変わらずここの重役達は煩い。
なので人払いを申し出た。ギャーギャー騒がれているが、私を見つけたスーザンは何故か呆然としている。
「ま、幻…?」
「陛下!幻ではなく妖です!」
どっちでもないわ。失礼な。
「ちょっと真面目にお願い。」
私が睨むと、スーザンは慌てて人払いをしてくれた。
不用心且つ信用し過ぎな気もするが、友達だからね。相手が私で良かったね。
「お願いと相談があるの。」
「まずは食事でもどうだ!?」
「いや、お腹空いてない。それより…」
「じゃあ庭園を散歩しないか!?」
…この野郎。
話をしてくれる気はあるんだろうか。
「スーザン。」
「何だ?茶か?菓子か?何が欲しい?」
「私はたぶん今から身勝手なお願いをすると思う。他国に知られないように、水面下で動いて欲しい。」
「…身勝手な…頼み?」

