誰だってそう思うじゃん。
盛られると本気で思ったもん。
けど、王座が手に入れば許してくれるもんなのか。色んな感情があるんだな。
「王座に座り、あの子が統べるこの国は私の思うものとは違うものになりました。」
「……。」
「そして、友が出来たと笑って言ったのです。」
「…はい?」
お話の趣旨が良く分かりません。
「記憶にある中で、あの子があんな風に屈託のない笑顔を向けたのは初めてのことでした。」
「…よかった…ですね?」
それしか言えませんよね。
返す相槌も、もう底をつきそうです。
「なので貴女には感謝を申し上げます。」
「…感謝?」
「重臣達と切磋琢磨し、国を統べる今のスーザンは以前よりも眩い。友のためにと、それを守らんとする志はとても尊いものだと気付かされました。」
そうか。
それで私にお礼を言いたかったのね。随分回りくどかったね。
「…私には関係ありません。」
「夫婦揃って、同じことを言うのね。」
「夫婦?」
「レンにも同じ理由で詫びました。その際同じことを言われました。」
いや、もう夫婦じゃないけどね。
私が言えたことじゃないけど、レンはもっと気の利いたこと言えよ。逆に怒ったって良かったんじゃないのか。あんだけ扱い悪かったんだし。
…とは言っても。
「レンはそんなことを気にする人じゃないですよ。基本的にマイペースで無気力なので。」
「そうですね。私はレンの顔を見るたびに昔私から王妃の座を奪った女の顔が過って耐え難かったと言うのに。」
「…では、レンの母上に花でも他向けてくださいませ。レンを相手にしても、あんまり意味はないと思います。」
「…そういたしましょう。」

