行って来ますを伝え、セザール王宮を目指した私。
おーちゃんの心配は杞憂に終わり、難なく王宮に着いた私は急ぎスーザンに会わせて欲しいと頼む。
「突然現れて陛下に面会とは何と無礼な。」
「あーもう早くしてよー。私急いでるんだって。レンも後から来るからさー。」
もう天井を壊すのは悪いと思い、正面から入ろうと思ったらこれだもんな。
今度は壁でも壊してやろうか。
「…通して差し上げなさい。」
通り掛かったとある人が、私を通せと衛兵に言い放った。
「お久しぶりですね、アレンデールの戦神。」
「…王妃…様。」
私が斬った阿呆王の奥様。王妃様。
この人もあまり感じが良い人とは言えないが、今は感謝だ。
「スーザンに御用と?」
「…はい。」
「そう。後でお茶でも出させましょう。」
「…え?」
お、お茶???
私は仮にも自分の夫を殺した仇では???
「ど、毒…ですか?」
「…スーザンは私の子です。」
「え…あ、はい。」
いや、ん?
スーザンが実子だとしたらレンは?お母さん亡くなったって言ってなかった?時系列おかしくない?
「私が王妃の椅子に座るのは二度目です。」
「後妻…再婚ですか。」
「ええ。レンの母を娶るため私は捨てられ、そして更にその後に娶られた女は子を成す前に殺しました。」
「お…。」
おっかねえ!!!
怖い怖い!殺しましたって何!?
「そしてまたこの座を手に入れた。そうまでしてでも、私はスーザンに地位を与えたかった。」
「…そう、ですか。」
「あの子は父と兄を見て育ち、そしてその両方を貴女に殺された。」
「…ですね。」
だから毒を盛ろうと言うのか?飲まないぞ?ここで出されたお茶は絶対飲みませんよ?
「しかしその結果、王座はスーザンが手にした。」
「災い転じて…ですか。」
「私は貴女に毒など盛りません。」
「し、失礼しました。」

