いただいたコーヒーをちゃんと飲んでから、再び外へ出ようとする私をおーちゃんが引き止める。
「お嬢、大丈夫なん?」
「あー謀反は起こしたけどね。セザール王宮は特に今は問題ないよ。重役達は煩そうだけどー。」
「そうやなくて。寝てへんのに大丈夫なん?」
「寝ないのは久々だけど、戦の時はしょっちゅうだったし慣れてるよー。」
謀反の心配かと思えば身体の心配だった。
一日寝ないくらいは何とかなるよ。人間そんな簡単にはくたばりません。
「…今仮に襲われたら?一人で行けるん?」
「え?」
「無理なら行かん方がええ。」
「…大丈夫だよ。追手の数は明らかに減ったし、私はそんなに簡単には負けないので。」
やけに心配そうなおーちゃん。
しかし私もここは引けないもので、強引ですみませんがこのまま行きます。
まだまだ大丈夫なつもりだけど、仮に大丈夫じゃなかったとしても敵国になる第一将のおーちゃんを王宮へは連れて行けないし。
「もし助けがいる時は呼ぶから、飛んで来てくれる?」
「…どうせ呼ぶ気ないんやろ。」
「うわ、おーちゃん可愛くない。」
「可愛くなくて結構やけど、ほんまに用心しいや。」
何をそんなに不安に思ってるかは知らないが、とりあえず早く行こう。
日が高く昇ってしまえばレンとトキが着いてしまう。
それよりも先に、私はスーザンに会わなければならない理由もあった。

