「ま、いっか。」


「いいんかい。」


「諦めることには慣れてるのでー。それに今更おーちゃんに名前呼ばれるのも変な感じするもんね。」


「…カイ、呼んでもええの?」


「あかん。」



バッサリおーちゃんを切り捨てたカイ。




「それよりカイ!ちょっと予定変更!ここの戦の後アレンデールに行ってヤハネ落とそうと思ったけど、ちょっと諸事情で先にエゼルタ突撃して来ます!」


「…もうビッグイベント盛り沢山で聞いてる分にはワクワクやわ。」


「ごめん!だから私今日からかなりバタバタなので!ちょっと休んだらすぐ出掛けたいです!」


「えー詳しいこと聞きたいねんけど。」



詳しいことと言われても、お話出来ることはあるだろうか。


とりあえずこの前哨戦が終わるまでは何とも…って感じなんだけどな。




「俺はいつ白狼のとこ行けるん!?」


「…あー。」


「あーちゃうわ!お嬢を待っててんけど!?」


「…あー。」



忘れていた。


シオンに会いたいんだったね。




「シオンから連絡まだないの?」


「ないな。それどころかエゼルタ深いとこまで入れてる間者からも連絡途絶えてん。」


「…ほう?」


「こんなことが起こってる中でオウスケ行かすの、ちょっと不安なんよな。」



エゼルタでは、何かが起きてる…よね。





「おーちゃんだけじゃないよ。トキも止めないと。」


「え?」


「隠したい何かがあるんだよ。入ったら出られなくなる可能性が高いから、下手に今入らない方がいいよ。」


「…箝口令か。」



エゼルタの総司令さん。


食えない人物だとシオンが言うくらいだから、よっぽど頭が切れるんだろうな。


箝口令と言うことは、情報戦も見通してってことだ。





「私トキにお手紙書こうー。」


「俺は結局行かれへんの!?」


「箝口令が敷かれてる中入ったら本当に閉じ込められちゃうし。」



かなり不満そうなおーちゃん。