思い浮かぶのは粒揃いの将軍の顔ぶれ。


考えるだけで頭は痛いが、それでも叶えてみたいんだもん。





「…分かった。」


「ハル優しい!ありがとうっ!」


「だが忘れんなよ。お前が傷付く可能性があるなら俺は大いに口も手も出すからな。」


「その時は内緒にするから大丈夫っ!」


「すんな!?報告しろ!?俺は王代理で総司令だぞ!?」



え、こんな時だけ?


そんな都合の良い役職を口に出すの?




「じゃあお忙しいね。こんなとこで油売る暇ないね。今もハルの代わりにみんな頑張ってるんだもんね。」


「…あ、けど…俺は暇なタイプだ。」


「タイプとかないから。ハルのこと嫌いになりたくないから。分かるよね?」


「……帰り、ます。」



お分かりいただけて良かったです。


トボトボと店の外へ出て行ったハルを、私は外で捕まえる。





「ハルっ!」


「っ…。」


「離れる前の充電っ!」


「か、可愛過ぎか馬鹿!!!」



後ろからぎゅっと抱きしめる私を可愛いと言うが。


この充電方法はるうに教えてもらったので、可愛いのはるうじゃないのか。




「るうと、ママとアルにもよろしくね。」


「…ああ。」


「大好きだから、一緒に頑張ろうね。」


「もう無理。」



ぐるっと身体を反転したハルが、今度は正面から私を抱き締める。




「く、苦しっ…ハルっ!」


「可愛い可愛い可愛い。俺のリンが可愛すぎる。」


「そればっかり…!」


「心配すんな。来世では飽きるほど教えてやるつもりだ。」



今は聞けない、好きの言葉は。


来世までのお楽しみ。




「えっ、嬉しい。楽しみ。」


「…あーまたお前は…。何でそんなに可愛いんだ。可愛いの化身か。」


「うん、じゃあまたね。」


「急にあっさり引くな!?」