「てか、イヴがこんな街中まで出て来たのか。珍しいこともあんだな。」
「あー仕事頼まれてな。」
「仕事…ルイが言ってた情報何たらか。イヴが外の情報に興味があるとしたら、どうせリンのことだろ。」
「え?あーまあ。」
「心配で仕方ねえから探してくれって話か。」
「…。(いや逆に殺せ言うてたけど。何なんこれ。ボケなん。つっこんだ方がええんか。)」
ここで、頭を冷やし終えた私はやるべきことが山積みであることを思い出し酒場へ戻る。
戻ったら丁度イヴの話だった。
「心配ないよって会って言っといたから。安心して帰って行ったよ。」
「あーそうか。」
ハルとおーちゃんの会話に割って入る。
「あとソルとの国境の守備手伝わせちゃったから、ハルも会ったらお礼言っといてねー。」
「相変わらず出来た奴だな。」
…ハルは知らない。
イヴが私を殺したい程憎んでいることも。イヴが何より心配して敬愛して止まないのは、私ではなくハルの方だと言うことも。
それが私にとって、どれだけ都合が良いことかも。
「それで、もう気は済んだ?」
「済まねえ。」
「るうに迷惑掛けないようにハルは早めに帰ろうね?」
「ルイはほっとけ。俺はお前の方が大事だ。」
「そんな話してないから。常識的に言ってるの。ハルがここに居るとこの国の方のご迷惑だから。」
この酒場へ向く、警戒と不安の色が濃い。
外に出てた時に気付いたが、護衛兵の数もいつもの倍以上いた。
「嫌だ。」
「……。」
それなのに、ハルはこれなんだから。
もう本当にご迷惑ばかりすみません!!!

