ハルは意外と人見知りなのです。


仲良くなるまではあまり心を開きませんが、一度開いてしまえばみるみる仲良くなれます。




「で、何だ?」


「お嬢は弟子にしてて今双剣の扱い方教えてんのと…。あと、お前の恋敵やな。」


「…あー…。」


「こんなん言うた手前、お嬢が居てなかったら一戦交えたかってんけど。たぶんお嬢嫌がるやろうから。今日は堪忍な。」



ハルは普段なら絶対怒る。


こんな発言許せるほど大きな器量ではない。



けど、アキトに出会い。るうにその椅子は絶対ではないと言われ。更にまた現れた恋敵。


これらの出来事は、ハルにとって。





「馬鹿ばっかだな、この世界は。」




…喜ばしいことなのかもしれない。




「怒らへんの?」


「腑は煮えくり返ってる。」


「…そうやんな。」


「俺のリンは、やっぱ世界一良い女だよな。」


「否定はせんけど。」


「…リンに会いたい。」



数分前まで会ってたし、何ならすぐそこにいる私に既に会いたいと焦がれる。


本当にハルは重症かもしれない。





「そう言えば、あのイヴとか言うヤハネの将軍。お前あれどうにかしたりや。」


「…は?イヴ?」


「お嬢と仲良いんか悪いんか良く分からんかったけど、あんな野蛮な奴を何ほっといてんねん。」


「イヴが野蛮って、何の話だ。」



話が噛み合わないハルに、おーちゃんは首を傾げる。





「てか、リンとイヴは普通に仲良いだろ。」


「仲良い…か?かなり敵意剥き出しやったけど?」


「馬鹿言え。イヴはリンを俺よりも妹のように思ってる奴だ。出来た奴なんだ。」


「あれ?俺が見たん別人か?」



別人ではありませんが、イヴは猫被りがお上手なので。


ハルの前でのイヴと、そうじゃない時のイヴにはかなり差がある。