おーちゃんの行動には特に興味はないらしい。
「結果、お前に剣向ける日が来るかもしらへんけど。悪く思うなや。」
「誰が思うかよ。どうせ殺すことも出来ねえんだろ。」
「…それはまだ分からんけど、遠慮はするつもりないで。」
「そこも興味ねえし好きにしろ。」
自分を討とうと言う第一将を前にしても、そこにさえ興味が沸かないハル。
「…鬼人って、よう分からんわ。」
「リンが泣かねえで、笑っていられるならそれ以上は何も望まねえ。分かりやすいだろ、俺は。」
「……。」
「そして何故勝てる気でいるんだよ。俺の怪我一つで可愛く泣くリンが居るんでな。言っとくが、その涙を落としたくないんで俺は殺す気でやるぞ。」
もうおーちゃんは溜め息を吐くだけ。
心中お察しします。馬鹿な兄で本当にすみません。
「あ、そうや。どうせソルの第一将には逃げられたんやろ?」
「…うっ。」
「狙われとる以上、お嬢が一人で動き回るん危ないで。」
「…この話題は止めろ。もう散々リンに怒られた。怖かった。俺はこんな落ち込む戦をしたことはねえ。お前聞いてくれるか!?」
「は、はあ。」
おーちゃんはハルの愚痴を聞かされることになる。現場に居合わせたカイも巻き添えに。
そして、正義のヒーローであるおーちゃんが捨て置けるわけもなく。
「シオンは置いといてな。リンに頼まれたんだよ。ソルの第一将が気に入らねえから討ってくれって。それなのに俺は…!」
「あーまぁ、相手が悪かったんちゃう。」
「リンの頼みを聞けなかった俺は死んだ方がいいのかもしれない。」
「アホか!?落ち込みすぎやろ!?」
「お前良い奴だな!?名前何て言ったっけ!?」
すっかり打ち解けた二人。
マジで謎展開すぎてカイは最早どうでも良くなっています。
「オウスケ。」
「男らしい名前にしては、女顔だな。」
「喧しいわ!喧嘩売ってんのか!?」
「けどそこそこ強そうだな。オウスケはリンの何だ。」
「呼び捨てか!?馴れ馴れしいな!?」

