ソルから奪った城を、何とか見事に統治する手前くらいまでに持って行くことが出来た。


とは言っても数日で出来ることなんてたかが知れてるので、後は隊士さん達にお任せする。決めなければならないことは凡そ決められた。


あとは城から治者を派遣すれば引き継いで終わり!




「いい?ここまでやって初めて城は落としたって言えるんだからね?」


「…はい。」


「次同じことしたら怒るからね?」


「…充分怒ってたじゃねえか。」


「何か?」


「すみません。」



皆さんに姿を見せられない私の代わりに、ハルが走り回ってくれたので。


どうにか形にはなったが。




「あー私も時間かなり押しちゃった。急いで戻らなきゃ。」


「嫌だ!リン行くな!!!」


「もう今日中に戻るってカイに言ったから、これ以上は無理。」


「嫌だ!!!」



涙を浮かべながら行くなと訴えるハル。




「ハル送ってー。」


「嫌だ!!!」


「…じゃあ一人で行くねー。」


「送る!!!」



どうせ私は戻らねばならない。


それに何となく、ハルは私を一人にはしたくないような感じがするので。動かすのは簡単だ。





「桜咲いたねー。」


「ああ。もう遅えけどな。」



ようやく花びらが舞い散るほどに、桜は綺麗に花を咲かせてくれた。


千本の桜が咲き乱れるこの景色は、何度見ても言葉を失うくらい綺麗で圧倒される。




「…プレゼントありがと、ハル。」


「別に。泣いて喜ばせようと思ったのに、俺怒らせただけだったし。」


「めんどくさいから拗ねないでー。」


「挙げ句の果てにはめんどくさい…。」