翌朝、るうの声で起こされて目を開けると。
目の前にハルの顔。ハルの目は開いていて、ただ私を眺めていただけらしい。
「……はる。」
「ん?」
「……すき。」
「…ぅえ?」
寝惚けながらハルへの想いが漏れると。
ハルは素っ頓狂な声を出す。
「…お、はよ。」
「……。」
「っうぅ…苦しい。」
ハルが私をこれでもかってくらい強く抱き締める。
普通に苦しい。
そして、私の耳元に口を寄せる。
「…この馬鹿。来世まで待てなくなるだろうが。」
そんなハルの小さな呟きが私の耳を刺して、私の胸はより苦しくなった。
「は、ハル?」
「お前は少し可愛さを抑えてくれ!!!」
「え…ご、ごめん?」
さっきの言葉はなかったかのように、ハルはすぐに通常運転に戻った。
私の目は必然的に醒める。
「リン、コーヒー置いとくぞ。」
「ありがと。」
何も聞こえていないるうは、私のコーヒーを準備するとすぐに一度部屋を退室。
「……。」
「…早めに準備しろよ。今日は花見だ。」
「あ、うん。」
「準備出来たら裏山で待ってろ。迎えに行く。」
ぽんっと私の頭を撫でてから、ハルも準備のために部屋を出て行ってしまった。
…変なハルだったな。
私もさっさと支度に取り掛かり、コーヒーを飲みながら優雅な一時を過ごす。
またしばらく帰って来られないな。
「良かった、リンまだ居てくれて。」
「…ママ?」
そこへやって来たママ。
「もうパルテノンに行っちゃうんでしょう?」
「うん、ソル経由だけどねー。」
「パルテノン素敵な場所でしょう?」
「…あ、そっか。ママにとっては母国だもんね。」
巫女のママの生まれはパルテノンだった。
カイと行った神殿も、知っていることだろう。
「パルテノン王にはご挨拶したの?」
「ううん、変な王様みたいで私会ってもらえない…と言うか会わせてもらえてないの。」
「あの方もお変わりないのね。」
「ママ会ったことあるの?」
「ええ。まだパルテノンに居る頃だからかなり昔だけどね。とっても良い人よ。」

