それは散々に二人から怒られる。
そんな二人をどうしようかと私は頭を巡らせる。例の作戦は応用出来るだろうか。
「は、ハル…るう…。」
これで効果がなければ寂しいが今日は一人で寝よう。
もう私は知らない。
「私っ…早く寝たい…っ。」
出来るだけ二人に迫り、潤ませた目で上目遣い。
「…おねがい。」
私の奥義だ。
ハルには大体これで何でも通せる。しかしこの奥義の立案者であるるうを相手にしている。初めてのことなのでるうに対して効果があるか不安だ。
「…。(可愛過ぎて死ねる。)」
「…。(ハルが居なきゃ今すぐ押し倒してやりたい放題やってた。壁欲しい。)」
効果の如何は知らないが、嘘みたいに静かになった二人。
もう一押し、か。
「「っ!?」」
私は固まったままの二人を、両腕に収める。
「…ねよ?」
二人の並んだ顔を見上げて私が寝ようと声を掛けた瞬間。
ドカンと爆発音のような幻聴が聞こえたと同時に、ハルは布団の中に潜り悶え始め。るうは安定に壁一直線。
…もう許してもらえたんだろうか。
定かではないが収拾付かないので、私も布団に入ることにした。
「お前外ではそれ絶対やるな。」
「へ?」
「ハルに同意。俺はこんなことに使うために教えたんじゃねえ。」
「お前が教えたのか!?!?」
口を滑らせたるうがヤバいと焦る。
案の定ハルは鬼の形相で、また言い争いが始まってしまう。
いつの間にか三人でベッドには入ったものの、間に私を挟み。それはもう煩いことこの上ない。
「…ねむ。」
そんな言い合いさえ子守唄のようだ。
相変わらず仲が良くて、強くて、頼りになって、大好きな二人が側にいること。
当たり前だと思っているが、それはきっと当たり前じゃない。だから失わないように私も強くならなきゃいけない。
「…ずっと、一緒にいようね。」
私の願いは、きっと叶うと信じてる。
この二人に叶えられないことなんてないことを、泣きたくなるほど知っているから。
そんなことを考えながら先に一人で眠った私。それを見て微笑みを溢す二人は、すぐに言い合いを止めた。
「…ルイ。」
「あ?」
「死んでも守り切るぞ。」
「当たり前だ。」
ハルの脳裏には、ソルの第一将の顔が浮かんだ。
「…アイツは、早めに殺さねえとな。」
静かなる殺気を一瞬だけ醸し出す。
そのまま私の頭に腕を乗せる所作は恒例。ハルが眠ったのを確認してから、るうも眠る。
また、この時間が止まるようにと三人で願った。

