(二)この世界ごと愛したい




それは散々に二人から怒られる。


そんな二人をどうしようかと私は頭を巡らせる。例の作戦は応用出来るだろうか。




「は、ハル…るう…。」



これで効果がなければ寂しいが今日は一人で寝よう。


もう私は知らない。





「私っ…早く寝たい…っ。」



出来るだけ二人に迫り、潤ませた目で上目遣い。





「…おねがい。」



私の奥義だ。


ハルには大体これで何でも通せる。しかしこの奥義の立案者であるるうを相手にしている。初めてのことなのでるうに対して効果があるか不安だ。





「…。(可愛過ぎて死ねる。)」


「…。(ハルが居なきゃ今すぐ押し倒してやりたい放題やってた。壁欲しい。)」



効果の如何は知らないが、嘘みたいに静かになった二人。


もう一押し、か。





「「っ!?」」



私は固まったままの二人を、両腕に収める。







「…ねよ?」



二人の並んだ顔を見上げて私が寝ようと声を掛けた瞬間。


ドカンと爆発音のような幻聴が聞こえたと同時に、ハルは布団の中に潜り悶え始め。るうは安定に壁一直線。



…もう許してもらえたんだろうか。


定かではないが収拾付かないので、私も布団に入ることにした。




「お前外ではそれ絶対やるな。」


「へ?」


「ハルに同意。俺はこんなことに使うために教えたんじゃねえ。」


「お前が教えたのか!?!?」



口を滑らせたるうがヤバいと焦る。


案の定ハルは鬼の形相で、また言い争いが始まってしまう。



いつの間にか三人でベッドには入ったものの、間に私を挟み。それはもう煩いことこの上ない。





「…ねむ。」



そんな言い合いさえ子守唄のようだ。



相変わらず仲が良くて、強くて、頼りになって、大好きな二人が側にいること。


当たり前だと思っているが、それはきっと当たり前じゃない。だから失わないように私も強くならなきゃいけない。





「…ずっと、一緒にいようね。」



私の願いは、きっと叶うと信じてる。



この二人に叶えられないことなんてないことを、泣きたくなるほど知っているから。




そんなことを考えながら先に一人で眠った私。それを見て微笑みを溢す二人は、すぐに言い合いを止めた。





「…ルイ。」


「あ?」


「死んでも守り切るぞ。」


「当たり前だ。」




ハルの脳裏には、ソルの第一将の顔が浮かんだ。





「…アイツは、早めに殺さねえとな。」



静かなる殺気を一瞬だけ醸し出す。


そのまま私の頭に腕を乗せる所作は恒例。ハルが眠ったのを確認してから、るうも眠る。




また、この時間が止まるようにと三人で願った。