「レンには会ったきたか?」
「会ってない。」
「は?」
ちゃんとアレンデールから真っ直ぐここに来ましたとも。
「え、私に用ありそうな感じだった?」
「…それは知らねえけど。じゃあお前直接ここに来たのか?」
「そうだけど。」
「…なんで?」
なんで…とは。
約束したじゃん!?忘れてる!?
「最速で来いってアキトが言ったんでしょ!?」
「…てっきり先にレンに会うもんだと思ってた。」
「レンと会う約束してないし。」
レンのことを相変わらず気にしているアキト。
遊び倒すと約束したのを楽しみにしてたのは私だけかと、少し切なくなってみたりします。
けど、それも仕方ない。
はっきり日時を指定出来なかったし。アキトが傷を負うほどに戦わせてしまった責任は私にもある。
「トキは?」
「王宮で馬鹿共に捕まってる。」
「やっぱりそうかー。」
セザール軍部もさぞかし大変だろう。
アキトは特に私と遊ぶのは後回しでも問題ないようだし。
というか、実際そんな時間もなさそうだ。
「なあ、リン。」
「んー?」
「俺は少し自惚れてる。」
「はい?」
アキトは、少し嬉しそうに見える。
「お前が真っ先に飛んで来たのが、俺のとこで嬉しいと思ってしまった。」
「…だって約束したし。早く来ないとアレンデールまで来るって脅されたし。」
「それでもいい。お前が無事で、こうしてまた会えた。」
お、大袈裟すぎる。
セザール出てからそんなに経ってないよ?
それなのに満足そうに笑うアキトを見ていたら、私もなんだか笑えてきて。
「アキト、なんか可愛くなったね?」
「ああ?」
「…それにしても疲れたー。」
「そういやお前どうやってここまで登ってきたんだあ?」

