「…ルイ雑巾くれ。」
「お前等人様の家で泣くな。多大なる迷惑だ。」
るうのコーヒーの美味しさにも泣きたくなったんだよ。
ハルの変わらない壮絶な愛に泣きたくなったんだよ。
「ハル、るう。」
帯剣したこの二本の剣は、今も私に力をくれる。
「おかえり。」
私のところに、帰って来てくれて。
…ありがとう。
「リン。」
私はもう、ただ目の前にいたハルに堕ちる。
「もう寝かせてやれ。どうせまた碌に寝れてねえんだから。」
「…幾つになっても可愛すぎて困る。」
「起きたらまた飯も食わずに何か考え事でもするんだろうな。部屋に基盤が転がってた。」
「祭りが先だ。終わったら俺はリンと出掛ける。お前留守番な。」
「お前も休めよ。戦い詰めだったろ。」
「リンに会ったから俺はもう一万戦は戦える。」
瞼を閉じて。
陽だまりのようなこの暖かい腕の中で。
永遠に時が止まってほしいと思った。
「おやすみ、リン。」

