(二)この世界ごと愛したい




簡単な話それぞれの班長からボールを奪えばいい。




「人数多いから乱戦の中だと思って、みんなそれぞれ間合いは気を付けて。味方を斬らないようにねー。あと、ボールを持ってる人への攻撃はいいけど、ボール自体への攻撃はなし。やってみた方が早いと思うからやってみようー。」


「これが鬼人の修行か…。」


「あ、ボール取れた人にはいつもご褒美あげてたんだけど。今回どうしようかなー。」


「どんなご褒美だったんだよ。」




ハルはいつもその人の欲しい物買ってあげるって言ってたなー。


私の場合は少し違うけども。





「私が受け持った時は大体ほっぺにチューだったけど。あれはここではご褒美にならないもんねー。」




私の言葉に。



私の班の隊員達が大歓声を上げる。そしてアキト班とサク班からブーイング。



ここでも通用するのか、このご褒美。





「じゃあ私はお金ないからそれで行こう。安上がりでラッキー。」


「待て待て!じゃあ俺もそっちの班入る!!!」


「…アキトの受け持ちどうすんの。」




アキトが私の稽古班に入ると謎の駄々を捏ねる。意味が分からないと私が突っぱねる。



結局、アキトとサクはハルと同じご褒美となり。


己の財布を守る戦いになりました。





いざ、稽古スタートです。