(二)この世界ごと愛したい




ハナちゃんと別れ、私はアキトの部屋で着替えを済ませ。髪の毛を纏め。稽古道具を持って下に降りる。


地上に降りると、溢れんばかりの兵の山。





「やっぱ五千は多いなー。」




何人ずつ捌けばいいんだろう。


てか、これだけの人数収容できるこの城の敷地の広さが凄いです。



いざ私が顔を出すと、みんなそれぞれ挨拶してくれて。よろしくと声を掛けてくれる。





「よろしくー。」



アキトとトキもやって来て。


サクは既に隊士の中に紛れ込んでいる。





「とりあえず人数分けようか。サクはこっちおいでー。」


「えー!俺も稽古受ける側がいいっす!」


「…トキー、スムーズにいきませーん。」


「すんません!!!」



我が儘を言うサクをトキにチクる私。


トキはやはり恐怖対象なようで、サクは謝ってすぐに隊士たちの中から出てきた。



お陰様で、かなり和やかな雰囲気です。





「とりあえず三班に分けるよー。ここ私、そっちアキト、あとはサクね。」


「俺は何したらいいんすか?」


「ボール遊び。」




私は昨日アキトに買ってもらったボールを三つ準備します。


私とアキトとサクがそれぞれ一つずつ持ちます。





「アキトとサク今日は剣持たないでね。」


「え?稽古は!?」


「隊員の皆さんは何でもアリです。どんな武器も使ってもらっていいよー。それぞれの班で、ボールを奪うっていう簡単な稽古でーす。」


「丸腰でですか!?」