三冊無事に読み終えて。
私は隣のトキを見ると、すやすやと可愛い寝顔で眠っている。
「…おやすみ、トキ。」
本を元あっただろう場所に片付けて。
私もトキの隣で目を瞑る。
いつの日か分からないトキの結婚。
その日が来たら、トキはたぶんこの軍を去らなきゃいけない可能性が高い気がする。
それは何となくトキの采配と、その表情から読み取れた。
私も政略結婚を経験した人間だから、こんな時代だし避けて通れない結婚もあると理解はしている。
「私を送り出した人も、こんな気持ちだったのかな。」
どうせ結婚するなら。
どうか幸せになってほしい。
辛い思いをする結婚ならしてほしくない。
サクとハナちゃんを見たから余計に、こんな夫婦で溢れてほしいと思う。
…でも、難しいよね。
だから私も一度は結婚したんだし。
相手がレンだったから良かったけど、運が悪ければエリクだったかも。かつてのスーザンだったかも。もっと最悪は前王だったのかもしれない。
「良い人だといいんだけどなー…。」
トキの相手はどんな人だろうか。
そんなどうしようもないことを考えながら、私も夢の中へと旅立つ。

