(二)この世界ごと愛したい




最後と聞くと、周りの皆様も少し希望が見えたらしく。


シオンだけでなく我こそはと他の将も名乗りを上げる。別に戦をするわけではなく、相手は魔女一人なので。




「大一番だよ。無茶な挙兵だし、失敗したら結構大問題だけど大丈夫?」


「「……。」」



そう言われると、挙手した手も下がってしまう。




「ここを任せられるのは、やっぱ一人しかいないか。」



断られはしたものの。


ここで全員の視線はシオンに向く。何せこの国で現在最強の将軍。しかも総司令の長男。誰もがシオン以外あり得ないと思っていた。







「僕が出るよ。」




周囲は静寂に包まれる。


総司令が自ら討って出ると言ったことは、もう何十年ぶりか。そしてこの総司令、出陣した戦は負け無しの大物。




「い、今…何と…。」


「うん、だから僕が直々に出るよ。これ極秘案件ね。箝口令も後で出すからよろしくー。」


「箝口令!?」



ここで、未だ信じられないと皆が狼狽える中。


静かに怒りを内に秘めるシオン。




「…。(マズいな。彼女と繋がりがある事を知られてる上で箝口令となると、俺は見張られる。)」


「久々の戦場ワクワクする。」




こうして。


ユイ姫は案の定何も考えず、挙兵を許可。



シオンは自宅に軟禁状態。私への伝書は飛ばせないまま、時が過ぎる。