おーちゃんは元々行く気満々だったのに対し、カイはヤハネ第一将からのコンタクトを待っているので。
そこと被るのを恐れて憂う。
「お前が文句も言わずに戦行くなんて、マジでお嬢にゾッコンやな。」
「戦言うても歩くだけでええらしいからな。」
「はあ?」
「お嬢が言うてたで。歩く指示だけでええって。」
カイは信じられないような顔をしているが。
それが本当なんですよ。そこもカイの力量次第だと私は考えていますが。
「やっぱ戦神の名前は伊達ちゃうな。さっぱり分からん。」
「大丈夫や、俺にも分からん。ほんまとんでもないお嬢をミケは連れて来たなって最近思うわ。」
「…猫は神の使い。ランも猫に好かれとったからな。」
「ランってお嬢の母親の巫女か。稀な血統やな。」
カイとママの関係性は知らないが、確かに歳は近いだろう。
「ミケはそれを分かって連れて来たんやと思うで。神の使いとしてな。」
そんなミケさんは、私が眠るベッドに密かに忍び込み。
暖を求めて寄り添って丸くなり一緒に眠る。
目覚めて起きて。
カイのコーヒーを飲んで。
おーちゃんと稽古して。
また動けなくなって。
少し休んで。
動けるようになれば飛んで。
そんなことをただ繰り返した。
だからか、疲労困憊。
もう蓄積されるだけの疲労に、ハルへの心労。
心と身体、どちらが先に限界を迎えるかどうか。現在それは私にも分からない。

