(二)この世界ごと愛したい




ここで学んだんですよ。


この情報と言う存在の恐ろしさを。また利便性を。




「俺…?」


「私がここで働きたいと思った理由もそこにあってね。」



私とカイで、協力すればこんなことも出来るんだよっていう良い事例になる。





「カイの描く夢の欠片を私が見せてあげようと思ってるのー。」


「えー…可愛え…けど怖い。」


「今回は私が布陣作るよー。カイはその通りにやってくれれば大丈夫ー。」


「えー…俺出来るやろか…。」



普段は飄々と仕事してるのに、城を落とすことは自信ないのか。


やることはいつもの変わりないのに。




「私はね。将軍してた時期もあるし、戦も正当な手段だと思ってる。だけど、カイのやってる戦いは微力じゃない。絶対に間違ってないし無意味なんかじゃないから。」


「……。」


「自分の力と、私を信じて。いつも通りのカイでいてくれたらいいの。」


「…あー…。やっぱ嫁に来て。オウスケの。俺でもいい。」




カイのお嫁さんか…。


これだけ家事出来る人だから確かに有力だ。




「前向きに検討するねー。」


「はあ?俺は?」


「おーちゃんは…うん。私寝るねー。」


「ちょっと待てや!?」



振り返ることもなく。


私は上の階に逃げます。


逃げるとは言っても、実際もう本当に疲れたんです。身体が寝たいと叫んでいるんです。



ただ、ドレスに化粧にセットされた髪の毛がどうにも気になるので。


ちゃんとシャワーを浴びてから、ゆっくり眠りました。