(二)この世界ごと愛したい




「ほんま?また来てくれるやろか?」


「私が言うんだから大丈夫だよ。カイがそんなに会いたがってたの知らなかった。言ってくれればいつでも加勢したのにー。」


「加勢とか出来るん?」



誘き出す加勢は無論可能です。


何せ私という絶好の餌がありますから。




…ヤハネ第一将のイヴ将軍。






「私を殺したくて殺したくて堪らないだろうから、私で釣れば簡単に出て来るよ。」




ケロッと軽く言ったが。


カイとおーちゃんはまた仲良く固まる。




「お嬢恨まれるようなことしたん?戦か?負け続けてるから逆恨みか?」


「恨まれてるのかもねー。」


「えーほな会うん嫌かもしらん。お嬢引き合いに出されたら交渉むずいやん。」


「うーん?依頼だけサクッと受けちゃえば?」



ヤハネとのコネクションは確かに手に入りにくいだろうし。


イヴは引き篭もりだから、国から出て来るのもまた珍しいことなのを知ってる。




「…お嬢は嫌ちゃう?」


「え、別に会わなければ特に問題ないよ?」


「…堪忍な。やっぱここは一回会うわ!今後来店は別の人間寄越して貰えばええし!」


「うんうん。カイが元気になって良かったー。私のことでそんなに悩むことないからね。カイはカイの好きにしたらいいんだよ。」



コーヒーを飲み干し、私はまだカイと打合せたいことがあるのでこの場に留まる。


おーちゃんは城に寄ってお家に帰った。