眠いし身体も怠いが、もう少し起きていよう。
「たぶん情報を規制してほしいんだと思うよ。」
「規制ややこいんよなー。けどこの依頼はあんま断りたくないなー。」
「会うんだったら断らない方がいいよ。カイの命は惜しいから。」
「…命…て。やっぱヤバい奴か…。」
ヤバいのは確かにヤバいかな。
主に頭が。
「お嬢知り合いなん?」
またもや人の交友関係をやたら気にするおーちゃんが、食い気味で訊ねる。
「その人との交戦、一番多いの私だし。」
「隣国やもんな。」
「アレンデール西側は私の管轄だったからねー。」
「でもお嬢負けたことないやん。」
確かに戦で負けたことはないけど。
単なる一騎打ちなら怪しいところなんですよね。あの人化け物並みに頑丈だし。
「てかてか待て!そんなことより!お嬢もしかして規制したい内容まで分かるんちゃう!?」
「…分かる…と思う。」
今度はカイが非常に前のめりだ。
そして残念なことに、私はあの人の考えが分かってしまうんだ。
「規制したいのは私の情報だと思うよ。」
「おっと、またオウスケの恋敵か。」
「あ、全然違う。」
「お嬢の情報ばら撒かんようにして独り占めしたいんちゃうん?」
それはまずないだろうな。
「独り占めじゃなくて、アレンデールに流すのをだけを止めたいんだよ。」
「は?」
「あと会うのは私がいない時がいいと思うよ。」
「アレンデールに規制って、意味分からん。お嬢おるんやから関係ないやん。」
「今が絶好のタイミングだったから?そんなに会いたいなら心配しなくてもまた向こうから来るんじゃない?」
何せハルが国を離れている。そして現在大将戦。ハルは戦場から動けない。
さらにるうも城に残った状態にも関わらず、逆に私が外に出ているこのタイミング。
私の守りが手薄なこの好機を、あの人は逃したくはないだろう。

