(二)この世界ごと愛したい





「…ほな俺が行ってくるわ。」


「おーちゃんありがとうー!ごめんねー!」



嫌なことを引き受けてくれてありがとうと、おーちゃんに感謝のハグをお見舞いする私。




「お嬢は危ないことに突っ込んで行く習性なんやろ。もう諦める。」


「習性って言い方嫌だけど本当にありがとうー!」


「その戦俺が出るし別にええよ。」


「…え?」



思わずパッとおーちゃんから離れる。





「何やねん。」


「違う将軍がいいです。」



はっきり私の意思を伝えた。


せっかく離れてあげたのに、私はすぐにおーちゃんの腕の中に引き戻される。





「誰が他の奴に任せんねん。」


「…カイ怒ってるよ?」



おーちゃんが戦に行くことに不満があるのはカイも同じのようで。味方がいて助かった。




「俺の前でイチャつくなや!羨ましい!」


「本音出てんで、カイ。」


「喧しい!俺は買い出し行ってくる!」


「あ、カイいってらっしゃいっ!」



ぷんぷんと怒りながら店を出ていくカイに、いってらっしゃいを伝えると、ヒラヒラと手を振ってくれた。


あんまり怒ってなさそうだな。





「…おーちゃん、戦って言うような戦じゃないから。カイも可哀想だしお留守しててよ。」


「嫌や。」


「マブダチの総司令さんに判断託そっか。」


「…お嬢今からどうする?」



どうしようかなー。


お休みのこととかカイと相談したかったし、お仕事のことでもまだ細かい打合せをしたかったんだけど。



…カイ行っちゃったしなー。




「寝る?」


「元気なら剣振るか?」


「やるっ!」


「やるんかい。」