驚いているのか、二人とも固まる。
「あとお休みがほしいの。」
「…あ、ああ。休みは…ええけど。」
「王様はだめ?」
「…んー…。」
非常に困っていそうだな。
やっぱ、私みたいな危険因子をそう簡単に近付けられるわけないか。
「じゃあ側近の方でもいいよ。」
「…何の話なん?」
「それは秘密ー。側近じゃなくてもそこそこの役職で…軍の総司令さんとかだと話早そうで助かるかも。」
「ほな、オウスケの管轄やん。」
「でもおーちゃんにも言いたくないから取り次いでほしいの。」
「…ま、頼むだけ…頼んでみるわ。」
期待値低そうな顔だな。
「本もまだダメなの?」
「…あ、忘れとった。」
「おーちゃん酷い。もう自分で頼んでくるよー。」
お城の書庫見せて欲しいって頼んだの結構前だぞ。この感じじゃ話も通してくれてなさそうじゃん。
…やっぱり忍び込めば良かった。
「本って?」
「あー、お嬢が城の書庫行きたいねんて。俺が聞いててんけど忘れとった。」
「なるほどな。ここに運んでもろたらええんちゃう?」
え!?そんなこと出来るの!?
「そ、そんなことしてもらわなくても私が行くよ!?運ぶの手間じゃん!?」
「ほなそこは俺が口聞いたるわ。その代わり何の話するんか教えて。」
「……。」
「どうせ黙ってても総司令はオウスケのマブダチやから、結局バレるで。」
マブダチなの!?
それは隠し通せないね!?
「…兵を…貸して貰えないかなー…なんて。」
「アレンデールやなくて?この国の?」
「いや、まあ。断られた時はアキトのとこに頼もうと思ってるんだけど…。攻めたい場所的に…ちょっとね。アレンデールは無理かな。」
「…戦かー。」
ってなるから、二人には言いたくなかったんだ。
どんより暗い二人を前に、申し訳ない気持ちが募る。
「二人は関与しなくていいし!悪い話にはしないし!お取り次ぎだけ…だめ?」
「俺等は…せやな。何とも言えんけど、軍の話は確かに総司令やな。」
うーんと頭を抱えるカイ。
それを見て溜め息を吐いたおーちゃん。

