「お金貰ってもどうしていいか分かんないもん。」


「将印出さんと持って来とけや!?」


「持ち歩くのめんどくさいもん。」


「生活力なさすぎるやろ!?どこで我が儘発揮してんねん!?」



生活力ないとか久々に言われた。


るうにも良くそんなこと言われたなー。




「…あ、何かやって来そうー。」


「はあ?」


「んーこの感じはエゼルタの追手さんかなー。実戦久々だー。」


「…カイやな。」



パルテノンへの帰り道。


恐らくカイがエゼルタに私の情報を売り捌き、その追手が私に向けられている。これは良くあることで、私も了承している。


ちなみにエゼルタ以外にも世界各国へ同じことをしているんだが、こうして活発に追って来るのはエゼルタとソル。



そして、私の予想ではそろそろとある国も動き出す…はずだ。





「御者さん心配だし、止めて貰おうか。」


「…しゃあないか。」



…ここで。


この追手の相手をどちらがするかで、おーちゃんと揉めます。




「私やるー。」


「俺おるからええって。実戦はまだあかん。」


「私の追手だし。私がやらないとおーちゃん変に目付けられるかもだし。」


「そんな心配いらんわ。」


「いや、本当に大丈夫だから。おーちゃん馬車の中にいて。」


「何でやねん。朝から剣振って疲れとるやろ。お嬢こそ寝とき。」



永遠に平行線の言い合いが徐々にヒートアップしてる内に馬車は止まり。


すぐに追手が馬車を取り囲むまで言い合いは続き、どちらが外に出るかでまだまだ話が付かないが。



このままでは本気で御者さんが可哀想になり、おーちゃんを捨て置き外に出ようとした私なのにまた止められる。段々イライラしてきました。