おーちゃんは一応、やはり対応はすごく大人で。


嫌だと言えばそれ以上はしない。無理矢理に強引に好き放題やるアキトやシオンとは違う。これが大人の余裕なのか。




「あんま挑発すなよ。」


「心当たりがございません。」


「無自覚とは厄介やな。俺はお嬢相手にする自信なくなってきた。」


「…ご無理なさらず。」



無理に相手してもらわなくて大丈夫です。


ご都合良い時で、気が向いた時だけでも良いです。




「それでも近くにおりたいと思うんは…やっぱ俺、手遅れなんかな。」


「っ知りません!!!」



すると、おーちゃんが私を抱きしめていた腕を解くもので。


目を瞑って俯き続ける私は、この状況をどうしようかと改めて考える。私がこうしてる間にさっさとお風呂上がって着替えてくれないものだろうか。




そして今度は何も見えていない私は、頭から滝のようにザバーンとお湯を被る羽目になった。


バケツをひっくり返したような水量に驚き、思わず目を開いてしまった。





「何してっ…!?」



目の前におーちゃんが居るので、すぐにハッとしてまた目を背ける。




「ん?」



…あれ?下はちゃんと着てる?


確認しようと恐る恐るもう一度チラッと見てみる。





「…ちゃんと着てるじゃん。」


「何期待しててん。」


「…っ!」


「お嬢やらしい。」


「〜〜〜っ…!!!」



こうなることを予期していただろうおーちゃんが、してやったりと笑っている。


全然大人じゃない!紳士じゃない!!!





「茹で上がってのぼせそうやん。」


「…あり得ない。信じらんない。もう一人にして。」


「もう動けるな。ほな待っとるから、落ち着いたら早めに上がりや。」