(二)この世界ごと愛したい




「これでよし。」


「何もよくないわ!!!」



今度は怒っているが、今は知らん。


私の気持ちは今だけは戦場に近いところにある。




「一本借りるよー。」



おーちゃんの腰に帯剣された剣を抜き取り、私は街外れまで向かう。




「待てコラ。」


「おーちゃん先生だから一本あればいいよね。たぶん私実力の半分くらいでしか動けそうにないからー。」


「…先生許してへんけど。」


「固いこと言わずにーねっ。」



許してくれそうにない先生に問答無用で斬りかかった私。


不意打ちにも関わらず難なく受ける先生は、未だ可愛い顔の眉間に皺を寄せている。




「…。(ほぼ初日でここまで動けるんか。)」



痛いし重いし。


身体は悲鳴を上げているが、聞く気はない。



まず今日は、この重さに慣れる。


慣れるまで命を燃やす。




「…。(まだ剣がブレる。重さに負けてる証拠だ。私のポンコツ!!!)」


「…。(マジで化け物やな。敢えて痛みを糧にして機動に変えるとか怖すぎ。ほんで血の気多すぎ。)」



前に手合わせした時とは大違い。


おーちゃんは私の剣を受けるだけでなく、ギリギリ私が受けきれる程度の攻撃もある。


全然今のままでは一太刀も入れられそうにない。




…じゃあ考えろ。頭を使え。


ここが戦場であるならば、討たねばならない敵であるならば。




私はどうすれば勝てる…?