「これでよし。」
「何もよくないわ!!!」
今度は怒っているが、今は知らん。
私の気持ちは今だけは戦場に近いところにある。
「一本借りるよー。」
おーちゃんの腰に帯剣された剣を抜き取り、私は街外れまで向かう。
「待てコラ。」
「おーちゃん先生だから一本あればいいよね。たぶん私実力の半分くらいでしか動けそうにないからー。」
「…先生許してへんけど。」
「固いこと言わずにーねっ。」
許してくれそうにない先生に問答無用で斬りかかった私。
不意打ちにも関わらず難なく受ける先生は、未だ可愛い顔の眉間に皺を寄せている。
「…。(ほぼ初日でここまで動けるんか。)」
痛いし重いし。
身体は悲鳴を上げているが、聞く気はない。
まず今日は、この重さに慣れる。
慣れるまで命を燃やす。
「…。(まだ剣がブレる。重さに負けてる証拠だ。私のポンコツ!!!)」
「…。(マジで化け物やな。敢えて痛みを糧にして機動に変えるとか怖すぎ。ほんで血の気多すぎ。)」
前に手合わせした時とは大違い。
おーちゃんは私の剣を受けるだけでなく、ギリギリ私が受けきれる程度の攻撃もある。
全然今のままでは一太刀も入れられそうにない。
…じゃあ考えろ。頭を使え。
ここが戦場であるならば、討たねばならない敵であるならば。
私はどうすれば勝てる…?

