眠る私の周りが煩い…気がする。


眠ってからどれほどの時間が経過したのかは分からないが、何せ煩い。




「ちょっと!起きなさい!」


「何してるの!早く起こして!レン様がもう城門まで来てしまったわ!」


「早く起きてここを出て行きなさい!!」




…え、この女性達はどなた。


私風邪引いて寝てるだけなのに何故怒られてるの。





「う…。」


「起きたわ!早く城から追い出しましょう!」


「ええ、早く立ちなさい!!」



呻きながら目を開けた私に、恐ろしい剣幕で城を出ろと捲し立てられている。


もしかしなくても、私は邪魔なようです。




「ちょ…と、ま…って。」



自由が効かない身体を起こし、きちんと周囲を見渡すと三人の女性が部屋にいる。


何か最近こんなこと多いな。



おーちゃん狙いの女性にもこうして倉庫に閉じ込められて酷い目に遭った。


今は出て行けって話だから状況は違うか。




…女とは怖い生き物だ。





「で、出ます。」


「早くしなさい!こうやってレン様に近付く女を排除することが私達の使命なのよ!」




どんな使命抱えて生きてんだよ。


私はまだまだ重たい身体に鞭を打って、千鳥足の様な足取りで立ち上がる。




「…では。」



私は城の中のどの辺の部屋にいるかは分からないけれども、とりあえず部屋の外に出て彷徨う。


さっきの衛兵にはお礼を伝えたい。



そして余力があれば書く物がほしい。カイの酒場に手紙を書かねば戻らない私を心配しているかもしれない。





「っつ…。」



頭も痛いし、身体は熱い。


完全に風邪がぶり返しているが、出口を求めて歩く私に声が届く。