ガクンと項垂れるアキトの横で、私の書いた伝書に目を通すトキ。
「…伝書かと思ったら恋文だった。」
「ああ!?」
私からのラブレターを読んで、トキは思わず怒りを忘れてしまったようで。
黒い笑顔からまた、可愛い笑顔へ戻る。
「…リンはやっぱり可愛いなー。」
「俺にも見せろ!」
トキの怒りを恐れた私。
シオンに一応頼んではいるものの、出来るだけ怒りを鎮めたいと企んだ。
『大好きなトキへ
この先は均衡を崩す諸刃の道です。大事なこの軍を進めるわけにはいきません。
アキトを筆頭に引き返してください。
そしてどうか許してね。次会った時にちゃんとお詫びします。ごめんはその時に言います。
トキの好きなお菓子一緒に食べようね。
リン』
一通り読んだアキトが一言。
「可愛すぎるだろっ!?」
「牙抜かれちゃうね。流石リンだよ。」
未だ轟々と聳え立つ炎を前に、トキは少しだけ思い悩む。
「…諸刃の道。」
「あ?」
「俺達がこの先を侵攻すれば確かに世界の均衡は崩れるよね。セザールがディオンを吸収すれば世界情勢は大きく動く。」
「そりゃあそうだろ。」
だけどこの戦国の時代。
そうしなければいけないことを知っているはずの私が、この道を諸刃だと言うその意図がトキには分からなかった。
「リンは一体、何を恐れてるんだろうね。」
「トキ、結局どうすんだよ。このまま撤退すんのかあ?」
「え?するわけないじゃん。」
「まさかあんな羨ましい手紙貰っておいてそれに応えない気か!?」
心の声がダダ漏れのアキトにトキは苦笑いする。
「侵攻はここで止めるよ。俺もこの辺までかなって思ってたし。本当はあと少し先の城まで行きたかったけどね。」
「じゃあ何で退却命令出さないんだよ?」
「だってこのまま疲れたらリン動けなくなるでしょ?そこを狙ってお仕置きしようかなって思って?」
「っ!?」

