(二)この世界ごと愛したい




ひらりと。


懐から一枚の紙を取り出した総司令。




「…やっぱり惚れちゃった?」


「……。」


「俺にも会わせてくれないかな。シオンの愛しいお姫様。」


「…何の話。」



総司令が持つ紙は私からの脅迫状。


シオンはちゃんと分かっている。総司令に私と繋がりがあることを悟られているのを分かっている。


それでも情報を与えないのが吉だと判断した。




「女の子が大嫌いなシオンを夢中にさせるなんて、よっぽど綺麗な子なんだね。」


「……。」


「…これ読みたくない?」


「…くだらない。」



内容は私が大方説明した。


読みたいとは思ったが、この男の策にハマるのは癪だと思い留まる。




「とりあえずおいで。」


「行かない。」


「じゃあ上官命令ってことで、ね?」


「……。」



親子と言えども。


立場上は総司令と一将。上司と部下。



シオンが憂いていた通りの展開になり、思わず溜め息を吐いてしまう。



そして連れられて来た総司令室。




「…単刀直入に頼むことにするね。」


「何。」




「シオンのお姫様、この国で捕虜にしたいんだ。」



捕えるだけではなく。


利用価値有りと判断された私は、戦にも使えるしアレンデールへの人質にもなる。





「…誘き出してくれない?」


「……。」


「シオンなら誘き出して捕まえるくらい訳ないだろうけど、必要なら兵は好きに使っていいよ。」


「…断る。」