ひらりと。
懐から一枚の紙を取り出した総司令。
「…やっぱり惚れちゃった?」
「……。」
「俺にも会わせてくれないかな。シオンの愛しいお姫様。」
「…何の話。」
総司令が持つ紙は私からの脅迫状。
シオンはちゃんと分かっている。総司令に私と繋がりがあることを悟られているのを分かっている。
それでも情報を与えないのが吉だと判断した。
「女の子が大嫌いなシオンを夢中にさせるなんて、よっぽど綺麗な子なんだね。」
「……。」
「…これ読みたくない?」
「…くだらない。」
内容は私が大方説明した。
読みたいとは思ったが、この男の策にハマるのは癪だと思い留まる。
「とりあえずおいで。」
「行かない。」
「じゃあ上官命令ってことで、ね?」
「……。」
親子と言えども。
立場上は総司令と一将。上司と部下。
シオンが憂いていた通りの展開になり、思わず溜め息を吐いてしまう。
そして連れられて来た総司令室。
「…単刀直入に頼むことにするね。」
「何。」
「シオンのお姫様、この国で捕虜にしたいんだ。」
捕えるだけではなく。
利用価値有りと判断された私は、戦にも使えるしアレンデールへの人質にもなる。
「…誘き出してくれない?」
「……。」
「シオンなら誘き出して捕まえるくらい訳ないだろうけど、必要なら兵は好きに使っていいよ。」
「…断る。」

