(二)この世界ごと愛したい




それは困ると、わざとらしく首を押さえる総司令。




「じゃあ僕が欲しいんですけど、やっぱそれもダメですか?」


「これ以上苛立たせるな。」


「シオンは?」



ここで総司令は、もうボーッとしているだけのシオンに声を掛けた。




「僕はあの子が欲しいんだけどどう思う?」


「……。」



あくまでも沈黙を貫くシオン。


しかしボーッとするのはやめて、視線だけは総司令に向ける。




「あ、陛下。姫様がシオンを探して荒れてるのでシオン借りて行きますね。」


「お前も少しはシオンに気を回せ。」


「ええー。回してますよ。」



歳の割には幼くも見える美男子。


軍事大国エゼルタの総司令を担うこの男。







「シオンは僕の可愛い息子ですよ。蔑ろにするわけないじゃないですかー。」



その言葉を聞いたシオンは嫌そうに顔を歪める。




「ああ、トキもまた戦が始まったみたいだね。怪我しないと良いんだけど。」


「……。」


「じゃあシオン行こっか。陛下怒ってお疲れだからあんまり長居しちゃ悪いし。」


「…失礼します。」



シオンは嫌々ながらもエゼルタ王に挨拶をして、不服にも総司令に連れ出される。


そんなシオンとは裏腹にニコニコの総司令。




「シオンどこに行ってたの?姫様がご立腹だよ?」


「……。」


「あ、姫様のとこに行く前に僕の部屋寄って行かない?」


「…行かない。」


「だよねー?でも今回は来た方がいいんじゃない?」