夜が明けて。
起こしてくれるとシオンが言っていたにも関わらず、先に目を覚ましたのは今回は私。
その原因は、この熱だ。
内からの自分の熱と、外からシオンが温めてくれている熱。
「…んー…。」
清々しくはないものの。
起きた瞬間からシオンの優しさに触れて、不思議と気分は良い。
「シオン。」
呼び掛けても起きないけども。
起きないから、私はまたシオンの白銀の髪に手を伸ばしてふわっとその髪を撫でる。
「…ありがと。」
つくづく損な性格のシオン。
この優しさが早くみんなに伝わるといいのに。
「…?」
「あれ?起きた?」
「……ん。」
薄らシオンの目が開いたと思ったら、また閉じた。
今日差し迫った予定があるのは私だけなので、このまま寝かせてあげる方がいいのかもしれない。私が昨日遅くまで付き合わせたんだし。
「私行くね?シオンゆっくり寝てて?」
シオンの腕の中から脱出を図ると、再びシオンが目を開ける。
「……。」
「…え?」
まるで行かないでと引き止めるように、私の手を掴んだシオン。
眠すぎるのか声は出てないけども。
「…起きれそう?」
「……。」
「無理そうなら置いてくよー。」
「…起き…る。」
置いていかれるのは嫌なのか、気怠そうにも身体を起こすシオンが可愛いと思えた。
「おはよう、シオン。」
「…はよ。」

