余計に罪悪感が膨れ上がる。
そんな私とは裏腹にレンが綺麗な顔で笑う。
…私だって嬉しいと思った。
その紺碧の瞳に再び私が映ることが、落ち着くこの香りが私に引き止めろと訴えているようだ。
「うん。じゃあちゃんと暖かくして寝てね。」
「…はい。」
ケロッと部屋を出て行ったレン。
特にシオンは何を言うわけでもなく。何を言うわけでもないのに椅子に座ったままの私を抱き上げる。
「なっ、何!?」
「寝ます。」
「また一緒に寝るの!?」
「…病人相手に何もしません。」
本当かよ。
その辺シオンは全然信用出来ない。何せ邪狼だからな。
「お昼寝したから私眠くない。」
「…それでも寝てください。戦行かせませんよ。」
「うっ。」
私をベッドに運び、その横に自分も転がる。
「…まだ寒いですか。」
「私はずっと寒い。」
「早く言えよ。」
「シオンは寒くないの…っ…。」
寒いと言うとキレながらもぎゅっと抱き締めてくれる。
キレてなければただの良い人なのに。性格の癖とは一つ違えるだけで残念なことになりますね。
「俺にはまだ夏同然です。」
「これが夏!?信じらんないよ!?」
「これが寒い方が信じられません。」
体感温度の違いが大きすぎる。
「シオン暑いなら離れてていいよ。私丸まってる。」
「本当なら全部剥いて温めるとこなんですけど、それやると逃げられそうなんで。このままで我慢してください。」
そんなことされたら逃げるどころか、今後お会いするのも全力で避けます。
しかもこの状況を我慢するのはどちらかと言えばシオンだと思う。

