「…レンは少し会わない間に意地悪になったね。」
「どちらかと言うと、死ぬほど会いたいと思ってた俺に会いにも来ない君の方が意地悪じゃない?」
「っ〜…。」
死ぬほど会いたい…なんて。
そうだったよ。こう言う人だった。甘ったるい雰囲気生み出すの得意な人だった。
そしてそんなことを恥じることなく平気で言えてしまう人だった。
「謝ったじゃん!」
「とても許せそうにないから今後の予定聞いてもいい?」
「…割と忙しい。」
「いつ空きそう?」
正直分かりません。
戦の後は本格的にお仕事に励みたいと思ってるし、そしてハルの出陣も近い。その戦場には近付かないにしてもある程度は情報収集したい。
それにこのエゼルタの件もある。本当に割と忙しい。
「…レンは忙しいってアキトに聞いたよ?」
「リンより優先すべきことなんて俺にはないよ?」
「だっ、だから…あー…もう。」
勝てる気がしない私は布団を頭まで被る。
こうなるから嫌だったんだ。
どこまでも純粋で真っ直ぐな私への想いが溢れるレンの言の葉は、私を絡め取って動けなくしてしまう。
…紺碧の瞳が私を吸い込もうと煌めく。
「…明日は用があるけど、終わったら行けるように…します。」
「本当?」
「…ほんと。」
あーあ。
戻ったらカイになんて言おう。
「でもその体調で用ってどんな用事なの?」
しまったー!!!
私としたことが浅はかだったー!!!

