いやしかし、シオンもいるこの場は違うか。
また改めよう。
「……。」
「……。」
「……。」
なんでか空気が重い気がする。
寝ようか。寝てやろうか。レンとシオンって確かに異色な組み合わせだけども。気は合いそうにないけども。
意味不明な三角関係出来上がってるし。
「…あ、リン左腕の傷見せて?」
「ジジイがやっぱり余計なこと言ってるなー。もう治ったからいいよー。」
「アレンデールの先生に渡した薬すぐに使ったのは聞いたけど、その後逃げ回って治療しなかったんでしょ?」
「に、逃げてないよ!?私帰国してからもそこそこ忙しかったから仕方なかったんだよ!?」
ジジイ!デタラメ言うな!
「じゃあ俺に見せて?」
「……。」
「見せられない?」
「…怒らない?」
「怒るよ?」
「じゃあやだ。」
「でも見せないならもっと怒る。」
…それもやだな。
シオンに助けを求められないかチラッと視線を向けると、向こうも私を見ていた。
「…何ですか。」
「治ってるって説明してほしい。」
「…治るどころかアキトの城で追加で斬られてたでしょ。」
「シオンっ!?」
どいつもこいつも私に冷たい!!!
熱あるのに!!!
「斬られた?」
「…軽く…ね。でも大丈夫。治ったから。」
「うん。もういいから見せて。」
「あ、私スーザンと友達になったよ。」
「早く見せて。」
食いつかないか。
やっぱり粘着質な性格だ。私だってもういい。めんどくさくなってきた。
「はい、どーぞ。」
「…あー。これ神経まで痛めてるね。感覚なくて痛みもあんまり感じないでしょ。このままじゃ切断だよ。」
「ええっ!?嘘っ!?」
確かに痛くないけど!!!
切断するほど酷かったの!?!?
「うん、嘘。」
「…は…?」
「って可能性もあるから自己判断やめてね?」
だ、騙された…。
本物の医術師の本気トーンの嘘怖い。

