隊長さんは少し悩んで、小さく頷いた。
それを見て、今度は兵達が着いて行くと騒ぐので苦笑いするしかない。
「じゃあ行く人はこっち。行かない人はこっち。分かれてくださーい。」
とりあえず現場を取り仕切る。
流石にこの国に家族がいる人もあり、全員とはいかないがほとんどアレンデールに向かいたいらしい。
「とりあえずハルに話は通しておくね。エゼルタの王都には戦死しましたって報告するから出来るだけ目立たないように移動すること!」
「「はいっ!」」
元気いっぱい、素直でよろしい。
「この国のお姫様みたいに恐怖政治じゃないけど、アレンデールは実力社会だからどっちが良いのかはたぶん人による。」
「鬼人が治める国か。」
「多少不安もあるだろうけど安心してね。内からハルが、外からは私が守ってあげる。」
アレンデールの守備事情を初めて知った方々は、誰もがそんな国落とせるわけがないと知ることになった瞬間だった。
「あ、それとアレンデールこれから戦なの。もし行く人がいたらハルをよろしくね。」
この時私が微笑んだのを見て、悪魔の笑みだと思った人が少なからずいた。
手にした兵はたった数千。されど数千。
戦において決して馬鹿には出来ない数。私の意図に気付いた人は計られたと思っただろう。それは確かに間違いではない。
…これはハルへの援護。
その勝利を誰よりも信じているが、どうしても心配はしてしまう。力になりたいと思ってしまう。

